自己肯定感が低くなるきっかけとは?【②原因篇】
全5回の2回目です! 高校生の皆さんが東京牧場での年間授業を通して、一番習得して欲しい事です。
自己肯定感の程度は、主に子どもから大人へ成長する過程での経験や、環境によって形成されてきます。
個々のネガティブな経験や感情により、自己評価の歪み(バイアス)が生じてくるのです。
バイアスがかかった結果、否定的な視点や偏った捉え方が強調され、自己肯定感が低下してしまいます。
特に、以下のような経験があると、否定的なバイアスが強まり、自己肯定感が低くなる原因となります。
■不適切な扱いを受けることが多い
常に不適切な扱いを受けていると、脳は現状を認めるために誤った解釈を生み出します。
例えば、影響力のある人から不当な評価を受けたり、偏見によって差別的な扱いを受けたりすると、自己肯定感は低下します。
■褒められた経験が極端に少ない
幼少期から大人になるまでの間に、褒められた経験や自分を肯定してもらえた経験が極端に少なかった子供は、自己肯定感が低く育つ可能性があります。
その逆で、幼少期から周囲からたくさん褒められ、自分を肯定してもらった経験のある人は、自己肯定感の高い大人に育つ可能性が高いのです。
今までどれだけ人に肯定してもらえたかというのも、自己肯定感の程度に影響してくるということです。
■偏差値社会に悪い影響を受けた
偏差値社会は自己肯定感が低下する原因の一つとなります。
偏差値社会では、学力や成績が重視され、常に他人との競争や比較が行われます。
特に学校は、偏差値によって成績の競争があり、受験にも関わってくるでしょう。
偏差値によって将来の道が決まるといっても過言ではありません。
高い偏差値を持つ人が優れているとされやすく、このような環境で偏差値に敏感になりながら育った人は、自己肯定感が低下する傾向があります。
例えば、自分より優れた偏差値の人と比較されることで、自分の価値が下がったように感じてしまうのです。
標準化された評価基準に縛られ、個性や特性が評価されないことも原因です。
いい成績をとらなければいけないというプレッシャーや、外部の期待に応えようとするス
トレスも自己肯定感を損なう原因となるでしょう。
■やりたいことに素直に行動しなかった
やりたいことに対して行動しないことも、自己肯定感の低下の原因となります。
たとえ些細なことでも、やりたいことをしなかったということは、小さな行動を抑制してきたということです。
抑制してきたことが多ければ多いほど、「やらなかった」という意識が積み重なり、心理的なダメージが生じます。
これによって自己肯定感が低下し、「自分はダメなんだ」という思い込みが強くなってしまうのです。
●補足
自己肯定感が低い人は、自信の不足からチャレンジを避け、失敗によってさらに自信を失うという悪循環に陥りやすいです。
この悪循環の根本には、過去の失敗やトラウマ、コンプレックスも影響しています。
過去の失敗からの恐怖や、否定的な経験が自己肯定感を傷つけているのです。
また、日本の社会では協調性が重視され、個性への配慮が不足しがちです。
このことも、自己肯定感の育成が阻害されていると言われています。