自然に出来た野菜は力がある
こどもたちが、自分で野菜を作り、収穫をして調理して種をとったり、食べたりする。
種を取って、増やし方を教える「一粒万倍プロジェクト」 自分の育てた野菜は格別においしい! のですが、ここで多くのこどもたちは、ある事に気づきます。
へんな形が多い!!
野菜は、不揃いに出来た方が身体にいい。
なんか、規格が揃った野菜が箱にびっしりと入っているのを見ると、良い野菜と思ってしまう事に、疑問を感じます。
「お行儀良くキチンと並んでいない」規格外の野菜「いびつな野菜」は、不出来な野菜という認識をどう改めるかに、悩んでいるのです。
いびつ野菜について考える
野菜の形がいびつな方が良いとされる理由は、主に以下の点に関連しています。
- 自然な成長: いびつな形の野菜は、化学薬品や遺伝子改変を行わない自然な条件下で育つため、自然の成長を示しています。これは、野菜が健康的であることの証と捉えることができます。
- 味の深み: 一部の人々は、いびつな形の野菜の方が、より豊かな味わいを持っていると感じています。これは、野菜がストレスを感じると、自己防衛のためにフラボノイドなどの健康に良い化合物をより多く生産するためと考えられています。
- 食品ロスの削減: 形が不揃いな野菜は、見た目が標準に適合しないためにしばしば廃棄されがちです。これらの野菜を受け入れることは、食品ロスを減らし、持続可能な消費に貢献します。
- 多様性の尊重: 自然界の多様性を受け入れることは、生物多様性の重要性と環境への敬意を示します。いびつな野菜を選ぶことは、この多様性を尊重し、支持する行動となります。
- 経済的価値: いびつな野菜はしばしば価格が安く設定されるため、消費者にとって経済的な選択肢となり得ます。これは、家計に優しいだけでなく、資源の有効活用にもつながります。
規格が優秀に感じる心理を考える
人が規格に合致したもの、例えば形が整った野菜や完璧に構成された製品などを優秀だと感じる心理にはいくつかの背景があります。このような心理的傾向は、人間の認知や感情、社会的な要因に根ざしています。
- 一貫性と予測可能性への好み: 人間は一般に、一貫性があり予測可能な環境を好む傾向があります。規格に合った製品は、品質や外見が一定であることを示唆し、これにより消費者は安心感を得ることができます。
- 美的魅力: 人間は自然と対称性や整合性を美しいと感じる傾向があります。形が整った野菜や製品は、この審美的価値観に訴えかけ、より魅力的に見えるのです。
- 社会的信号: 規格に合致した製品は、品質やステータスの高さを象徴することがあります。社会的に認められた基準に適合していることは、成功や優秀さの外部的な指標として機能することがあります。
- 単純化された選択プロセス: 規格化された製品は、選択プロセスを単純化します。すべてのオプションが一貫した品質と特性を持っているため、消費者は製品を比較しやすく、決定を下しやすくなります。
- 信頼と品質への期待: 規格に合った製品は、一定の品質基準を満たしているという信頼を築きます。消費者は、規格に基づいて生産された製品が期待を裏切らないと信じる傾向があります。
- 認知的不協和の回避: 規格に合致しない製品は、時に不確実性や不安を引き起こすことがあります。人間は認知的不協和を感じるのを避けたがるため、問題が少なく、予測可能な製品を好むことが多いです。
これらの心理的メカニズムは、人が規格に合致したものを好む理由を説明していますが、この傾向は状況や個人の価値観によって異なります。環境意識の高まりや個性の尊重など、社会的価値観の変化に伴い、多様性やユニークな特徴を持つ製品の価値が再評価されつつあります。